“親の心子知らず”から見えたもの ~Valueway 第91号より~

 父は多くを語らない人でした。
 弊社発足の際に父から資本金の一部を担っていただきましたが、経営には一切口を出しませんでした。おそらく父は学歴もなく経済人でもなかったため関心が薄いのだと勝手に解釈し、それを良いことに父に相談や報告もせずに勝手に経営を進めておりました。
 しかし父の遺品整理をして驚いたのですが、思っていた以上に私達子供(二人兄妹)に心を注いでくれていたことが分かり、胸が熱くなりました。
 最近の私の手記や会社関連の冊子がタンスから出てきたかと思うと、押入れからは子供の頃からの写真や文集そして小学校中学校の通信簿などが見つかりました。私たち兄妹は父から勉強しろと一言も言われたことがなかったので驚きも一入でした。そして、遺産としても家族に十分な生活基盤を残してくれました。
 親の愛情への感謝もなく恩返しもできないままに他界させてしまい悔いるばかりです。父の事を振返るたびに“声なき声や”“見えない背景”への心配りの大切や清貧さ等を考えさせられております。 

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